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October. 2026
ミラノで1938年来、看板に”TuttoPerOperai”をかかげ、作業をするワーカー達に寄り添いあらゆる必需品を提供してきた店がある。時は1925年頃。ルチアーノ・マルティンは、生計を立てるため、そして大家族を養うために、パドヴァからミラノへと移り住んだ。そこで彼はジェノヴァ出身の実業家と知り合い、その人物に導かれて積み込み倉庫で働くことになる。そして彼は、繊維製品の回収に関するあらゆることを学んだ。当時ジェノヴァには、インドのカルカッタやチッタゴン港から積み込まれた巨大なジュート麻俵を積んだ船が到着していた。ジェノヴァでルチアーノは技術を学び、その後、リグーリアの会社が閉鎖されたことを機にミラノに戻った。そして1938年、すでに成人していた彼は、梱包用繊維素材の回収という本格的な事業を立ち上げた。
Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)
通訳/クリエイター
大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。
パヴィア地方のコーヒー焙煎所、薬草栽培農家、香辛料輸入業者、精米所、製粉所、およびタバコ製造工場から袋を引き取り、イタリア陸軍や冷凍肉の輸入業者からもジュート麻を回収し、新品中古問わずジュート麻を購入した。また、アレマーニャ、モッタ、カフェ・ボノミといった高級ギフト包装メーカー向けに、新しい袋の製造・販売していたそうだ。色付きの袋を希望するお客様のために布地全体を植物性染料で染め上げ、おそらくより大きな使用済みの袋から切り出されたものは、洪水時の土手作りや、金属の細かすぎる破片の封じ込めに用いられた。
こうして自営業をスタートさせたルチアーノは、生涯を通じて共に歩むことになるブルーナと出会い、二人の子供を授かった。そこから、愛と仕事、そして自分が関わる全てのことへの計り知れない情熱がますます高まっていった。1945年、ルチアーノはミラノ県から元軍用資材の購入許可を取得した。そのため、彼は古いトラックで付き添いの作業員を連れてイタリア中をくまなく回り、各地に点在する兵舎やNATO基地内で商品を検品していった。毎回、混合資材の大きなロットを積み込み、ミラノに戻る数日間にわたる大掛かりな旅を繰り返した。貨物の通関手続きは、アルザイア・ナヴィリオ・グランデ58番地の建物内で直接行われたという。
ロットには、驚くほどあらゆるものが入っていた。元軍用の制服から、使われなくなった民間服、そして有名で伝説的なジーンズまで! 「そう、父は中古品が大好きなんです。なぜなら、それをリメイクして別の服に作り変えたり、状態が悪い場合は、産業向けに提供する清掃用や収納用の素材にしたりできるからです。どのような状態のものも捨てられることなく、すべてが再利用されました。」とルチアーノの息子パオロは語る。 こうして、店には最初の古着のブルージーンズが登場し、ブルーナはそれらを修理して、自ら裁断した作業服と一緒に販売した。客のほとんどは重労働を担うワーカー達で、ここでは手頃な価格で買い揃えることができ、服の生地は丈夫で長持ちするため、過酷な仕事に携わるワーカー達から高い評価を得ていた。
ルチアーノは、自分が夢見てきた仕事に就けていることに満足していた。彼はクリエイティブな人物だ。1949年、旅の途中でプラートのフラティーニ兄弟と出会った。そして彼らは独自のブランドを立ち上げ、デニムの織りから製造まですべてイタリア国内で行われる「スーパー・ライフル」というジーンズが誕生した。1947年、MARTINLUCIANO社はミラノで初めてジーンズを販売した店だった。現在、その事業を継承しているのは息子たちであり、彼らは情熱と決意を持って父が築き上げた仕事を続け、その歴史を受け継いでいる。ミラノ市よりミラノにおいて50年以上にわたって事業を営むBOTTEGASTORICA(老舗店)にも選ばれた。
ナヴィリオ運河沿いのこの店には、最新のジーンズを求めて訪れる若者たちが何世代にもわたって足を運んできただけでなく、わたしも好きなジョヴァノッティをはじめとする芸能人やミラノの著名人たちも、長持ちする一着や個性的な一品を探しに、あるいは単にルチアーノに会って少しおしゃべりをするために、次々と店を訪れてきた。今日、MARTINLUCIANO社には、ユニークな一品や昔の軍服、あるいは新しいアイテムがきっと見つかると確信して訪れるミリタリーウェア愛好家が数多く訪れているそうだ。品揃えは実に豊富、また衣類に混じってすべての始まりのきっかけとなったジュート麻の袋を、今でもわずか数ユーロで購入することができる。
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