暑い夏の午後、ミラノで友人のヴィオラと久々に会う約束をしていた。彼女とコーヒーを飲みながら久々にキャッチアップした後、「この後、行こうと思っているところがあるの。私のお友達のお友達のお店なんだけど一緒に行かない?」と誘われた。どこだろうとワクワクして到着した先は、From MILANO 5月で取り上げたLi-sei deliの並びにあり、オッキさんのところへ行く度に前を通っては、ウィンドー越しに気になっていたショップだった。PALOROSA(パロローザ)は、チェチリア(写真)が2014年に立ち上げたリサイクルプラスチックを使用し、グアテマラの伝統工芸を受け継ぐ職人たちを支援するサスティナブルライフスタイルブランド。まだスタートして6年という若いブランドだが、MOMAのデザインストアを始め、メルシー、コンランショップ、ミナ・ペルホネンやロン・ハーマンなどなど世界各国のオシャレなショップやブティックのデザインコレクションの一部を担い、その他日本の様々なショップでも取り扱われているという注目ブランドだ。
前代未聞の凄まじい年でありながら、およそ一年かけて誕生した新プロジェクト、カプセルコレクションPALOROSA X ERES (写真:PALOROSAウェブサイトより)を今年夏に発表。フランスの高級水着、ランジェリーブランドであるERESからのオファーでスタートしたというコラボにより生まれたPALOROSAを代表するカゴバッグ。「これまでもMOMAデザインストアの為に既存の形のバッグの色の組み合わせを変えて、MOMAエクスクルーシブバージョンを作る経験をしたけれど、他のブランドのデザイナーと一緒に最初から作り上げるプロジェクトは今回が初めてだったの。とっても良い経験をさせてもらったわ。」とはにかみながら語ってくれたチェチリア。一人でスタートさせて世界に名だたるブランドから声がかかってプロジェクトを手がけるチェチリアに今後の夢は?と聞くと、「そうね、昨年5月にミラノに小さなヘッドクオーター(本社)を構えることができて、今年はオンラインショップもスタートさせたけれど、自分自身のショップをNYにオープンできたら嬉しいわ!こんなご時世で、以前のように自由に動くことができなくなっているけれど、オンラインショップだけではなく、私は人と人の関わりを大切にしたいの。だから物理的なスペースは重要だと思ってる。そして、これまで築き上げてきたことを土台に、現在使っている材料だけにとどまることなく、長持ちする素材を使いたい。あと、流行だけを追う色使いではなく、素材だけでなく長きに渡って使える色を使うことでそういった観点でもサスティナブルでありたいわ。」と彼女の目に確固たる意欲を感じる。