メジェーヴは、クールマイヨールやコルティーナダンペッツォに並んでミラネーゼ達が山での休暇を好んで過ごすフランスにある小さな村。特にスキーを楽しむことができる冬のヴァカンツァを過ごす場所として知られるが、夏は初心者でも楽しむことができる簡単な登山やハイキングコースが多くあることでも知られており、巷では一年中楽しめるフレンチアルプスの宝石と呼ばれているほど。別荘を持つ人の多くはフランス語圏のスイスの街に住む人やフランス人が多いが、ミラノから3時間半という立地なので、高級ブティックなどが立ち並ぶクールマイヨールを好まないミラネーゼ達が避暑地として選ぶ観光客には知られざる場所だ。

とはいっても近年メジェーヴにも次々と高級ブティックやサントロペにあるお店の支店ができたりとスノッブさを増している。メジェーヴは遡ること1930年代ロスチャイルド家が町を作ったといっても過言ではない場所で、その名残が通りの名前からも分かる。彼らはホテルを作り、(現在ではフォーシーズンズホテルになっている) ゴルフ場も作った。ゴルフ・デュ・モンダルボワはエドモンド・ド・ロスチャイルド男爵によって1923年に建設され、当初は4ホールしかなかった。1960年代、元英国チャンピオンのヘンリー・コットンがコースを18ホールに拡張し、山岳ゴルファーの真のランドマークとなった。最も古い山岳ゴルフコースとされ、フェアウェイは標高約1,320メートルの高山を模している。

1960年代には多くのジェットセット達が好んだスキー場があることで有名なメジェーヴには、スキーパンツを発明したことで有名なアラール・ブティックがある。1930年、スキー・チャンピオンのエミール・アレ(写真の壁画に描かれている男性)のためのスキーパンツはここで作られた。現在でも、この店は上の階に住むアラール家のもので、アラール氏本人に会って話をすることも珍しくない。スタイルは非常に上品で、イタリアのロロ・ピアーナを彷彿とさせるメイド・イン・イタリーの生地と洗練された色の組み合わせ、そしてアクセサリーにはすべてオリジナルのブランド名が冠されている。

また、村の中心部には、有名なジャズ・クラブ・レ・サンク・ルー（パリ郊外で最も古いクラブのひとつ）があり、過去には国際的なジャズ界の大物ミュージシャンを迎えていた。現在でも、小編成のジャズ・バンドの生演奏を聴きながら、心地よい夜を過ごすことができる人気の場所である。毎週金曜日の朝には、村の狭い通りで地元産品やオート＝サヴォワ産品が並ぶカラフルなマーケットが開かれる。

スポーツとウェルネスを求める方々にオススメな場所は、大型複合施設「ル・パレ」。大型屋外温水プール「バルネオフォルム」を含むスイミングプールにウェルネスセンター、ジム、そして冬にはアイススケートも楽しむことができる。夏休みに海と山の両方を楽しみたい人達はまず海で日焼けに勤しみ、海で興奮した身体を休めるためにヴァカンツァ後半を空気が綺麗な山でのんびりと過ごす。

夏のメジェーヴは、周辺の自然が家族連れに適した多くの散歩道やトレッキングコースへと誘う。またアルプスの風景を疲れることなく楽しむことができる電動アシスト自転車のルートもある。中でも人気のエクスカーションはラック・ド・ジャヴェンという絵のように美しい湖で、典型的な郷土料理を出すレストランがあり、ハイキングの後の休憩に最適だ。また、グラン・プレにある山小屋のテラスからは、ヨーロッパ最高峰、モンブランの威容を眺めることができる。村の魅力、美食、スポーツと文化のインフラが完璧なバランスで調和しているメジェーヴ。日本の方々にはあまり知られていない夏はのんびりと、冬はスキーでアクティブに過ごすことができるこの地をみなさんにもぜひ訪れていただきたい。