Ottica San Maurilioを初めて訪れたのは、イタリア生活の大先輩であり、私が友人と2011年に立ち上げたブランドの商品の一つである眼鏡ホルダーへの大きなヒントをくださった方が連れて行ってくださったのだった。ジョヴァンナは、これまで旅で色々な地を訪れた経験があり、東洋や日本の文化にも興味があり、着物の生地のもつ色合いや質感やパターンにたちまち惹かれて、眼鏡ホルダーも置いてくださることになった。
私が老眼鏡を作るようになるまでのお付き合いが続き、今回初の老眼鏡は是非ともOttica San Maurilioで!と強く心に決めていたのでとても嬉しい。私が選んだものはチタン製のポップな赤い眼鏡だが、今年に入って、石油由来では無い、オーガニックアセテート素材の眼鏡も導入したとのことで、いくつか見せてもらった。アメリカンデザインで日本製のアセテートで作られた眼鏡や、フランス製のオールハンドメイドの眼鏡(写真参照)。眼鏡業界にも今後エコフレンドリーな商品が増える予感だ。
ちょっとした眼鏡の不具合にふらっと訪れる常連客の足も絶えない。いつ訪れてもお客様が必ず一人はいるOttica San Maurilio。丁寧な対応に皆居心地がよくておしゃべりに花が咲いてしまうようだ。特に常連のご年配の方は、自分の眼鏡を直してもらった後も他のお客様の相手を終えるまで、店内で待っていることも(笑)ご夫婦で来て、ご婦人が眼鏡を選ぶ姿を見ながらパートナーが「素敵だよ、とてもよく似合ってる。」と声をかけている姿は、イタリアらしいなあととても微笑ましい。初の老眼鏡を手にして、あまりにも気に入っているので、老眼鏡をつけることを皆に見せるのが恥ずかしいどころか、率先してつけたがっている自分がいるのに驚くが、それほどウキウキするモノに出合える場所だ。