クリスマスプレゼントを探し求めて街に人が溢れるこの季節。昨年に比べて街の中心部はごった返しているように見受けられる。娘達へのクリスマスプレゼントを選ぶために、ここ数年この時期に必ず訪れる店がある。ミラノの高級住宅エリア、マジェンタ地区にある創業80年ミラノの老舗店にも認定されているCASA DEL BIANCOだ。店のウィンドウディスプレイのひとつである写真を見ると一体子供達に何をプレゼントするのか?と思われるかもしれない。
ミラノでは、家族全員のパジャマを新調するべく、クリスマスプレゼントとして選ぶ習慣があると言う。12月に入ると毎年パジャマを選ぶご婦人達の姿で賑わうのだ。初めてこのお店に足を踏み入れた時もそうだった。上下共に同じ生地を使ったクラシックな100%コットン地のパジャマから、近年は従来のパジャマのパンツに合わせて、気の利いたフレーズやシンプルなイニシャルなどのプリントを施した白いTシャツをセットで提案している。写真のWE ARE FAMILY♥Tシャツはクリスマスの定番プリントだが、その他にもショップで提案する素敵なデザインが多種あり、またカスタマイズすることも可能だ。パジャマに合わせて室内履きも取り扱っており、ここ数年の定番は二月のFrom MILANOでご紹介したフリウラーネなのだが、今シーズンは新たに海から収集したプラスチックボトルを再利用して作られたムートン仕様のエコスリッパを導入。
ミラネーゼがパジャマを贈り物として選ぶのは、クリスマスに限ったことではない。年間を通じてお誕生日プレゼントにも。写真(Casa del bianco 提供)は、パパと息子お揃いのパジャマ。それぞれの名前の愛称がプリントされている。9歳の二人の親友が合同お誕生会としてパジャマパーティーを開催した際にそれぞれのママが娘達に名前と9という数字をプリントしたパジャマをプレゼントするなんていうこともあったとか。
こちらは子供服エリアだが、いつもカラー別にセンスよくディスプレイされていて、スッキリしている。コーディネートしやすいように工夫された展示の仕方だ。子供服の展開がはじまって20年ほどになり、ミラノのママ達から好評のようだが、いまだユニフォームの需要は多いそうだ。一度店内で雇い主のご婦人が家政婦さんと思しき女性を連れて1枚目の写真にあるようなエプロン付きのワンピースを選んでいるのに出くわしたことがある。CASA DEL BIANCOで作られるユニフォームは、通常のお堅く古くさいものではなく、可愛らしいデザインの生地が使われているため人気があるようだ。
度重なるロックダウンに自宅にいることが多かった今年は春夏にも娘達にそれぞれ色違いでKISS ME GOODNIGHTというプリントが施されたパジャマをプレゼントしたのだが、クリスマスプレゼントとして、再び新しいパジャマを選んだ。3日ほどでカスタマイズしてもらえ、プレゼントの包装がこれまた可愛い。毎日身につけるパジャマやベッドリネンにこだわるイタリア人は少なくない。パジャマは家での時間を大切にするイタリア人ならではの家族へのステキなクリスマスプレゼントのひとつだと思う。