「建彦木工のプロダクトの多くは、檜を始め地元の木で作られています。林業に関わる足利の3社で『ジモトの木プロジェクト』を立ち上げ、林業の地産地消を掲げたサスティナブルな活動をしています。輸入材に頼らないことで輸送燃料を減らして温暖化の抑制に貢献し、そして良質の木材を生産するために森を整備しその環境を守っています。また、建彦木工は建材としては市場で売れ難くチップになってしまう2m以下の木材も利用して、組む箱シリーズを始めとする、小さく美しく息長く使える製品作りをしているのです。」克哉氏はそう語る。一方「小京都足利の周辺の北関東工業地帯と呼ばれる地域で私は育ち、正直文化的な活動が少ないところだと思っていました。しかしtempoというブランドとの出合いが、地元への評価を変えました。 tempo のモビールは足利周辺はもちろん、日本各地の職人が作る個々の部品を足利の工場で組み立て出来上がります。モビール製造によって人と人を繋げ協力し合い、先代の技術を継承しつつ新しい製品を作り、地方都市から世界に発信しているのです。グローバリゼーションの波にのまれてしまいそうな小さな町工場の素晴らしい技術を次世代に繋いでゆく、もの作りによって人と町を再生するサスティナブルな活動です。文化とは芸術や文芸だけを呼ぶのではなく、日本の高度成長を支えた技術も世界に誇るべき文化なのだと気付かされました。」と貴子さん。