from MILANO

今最も旬なミラノの情報をお届けいたします。

June. 2022

Takeda Katsuya Design

今年もコロナの影響で、2019年までは毎年4月に開催されていたミラノサローネの名で知られるミラノ市が最も活気づく1週間、Milano Design Week(以下MDW)は6月に延期となった。開催直前6月1日よりイタリア国内及び海外からの渡航に関する規制も解除され、外国人の方々も多く見られるMDWとなり3年ぶりに元の盛り上がりを見せた。写真は2020年、コロナ真っ只中にミラノの中心地にある5VIEエリアに事務所を構えたTAKEDA KATSUYA DESIGN(以下TKD)。昨年9月に開催されたSupersaloneに続いて2度目のフオリサローネ参加となった。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

通訳/クリエイター

大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。

長年ミラノを拠点とし、イタリア、日本及び世界各地での店舗設計ならびにデザインプロジェクトを手がける日本人社長、竹田克哉氏率いるデザイン事務所だ。社員である日本人やイタリア人達に加えて忘れてはならないのが画家でありTKDショールームでの企画に携わる妻の貴子さん。過去、克哉氏が設計した店舗には、その空間に調和した貴子さんによる絵が飾られており、共に一つのプロジェクトに取り組むことで素晴らしいものを生み出すことができるのは、お互いがお互いのことを思い絶妙なサポートができる素敵なご夫婦ゆえ。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

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通訳/クリエイター

大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。

展示スペースに一歩足を踏み入れるとそこにはイタリアには存在しないはずの懐かしい檜の香りが漂う。今回のMDWのテーマは、『TIMELESS INNOVATION 不易流行』。栃木県足利市を拠点に活躍する二つのブランド、無垢材を加工する技術を活かしたプロダクトを製造する 建彦木工とモビール製造で海外にも活躍の場を広げているtempoを招いて行われた展示だ。なぜ足利市なのか。昨年秋よりご実家のお母様の介護の為に一時的に日本に戻られた貴子さんが、SNSを通じて地元で面白い活動をしている建彦木工とtempoを取り扱うmother toolに出会い、実際に知り合ってサローネ出展に誘ったところ、両社ともにフットワークが軽く、そこから3ヶ月という異例の速さでサローネを迎えたそうだ。そしてこの3ヶ月の間にTKDと建彦木工の間にディスプレイテーブルも誕生(写真右手前と写真4参照)。しかも克哉氏は実際に建彦木工の方とは未だ会っておらず、ウェブミーティングのみでデザインプロダクトが生まれたのだという。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

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大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。

「建彦さんの組む箱からインスピレーションを得て、建彦さんのスタイリッシュなロゴを見てパッと閃いて、建彦木工の製品を展示するためのテーブルとしてデザインしたけれど、とにかくシンプルで、展示をしない時にはコンパクトに分解収納できて移動できるものが欲しかったんです。あと綺麗で機能的な応用性のきくシステムを作りたかった。」と克哉氏。「このテーブルに使われた檜は、檜が採れる最北端に位置する足利のもので、環境の厳しい場所で育った強度のある檜だからこそ12ミリまで薄くすることも可能だった。この土地だからこそできたプロダクトなんですよ。」とディテールにこだわり、美しさをストイックなまでに追求する姿勢が伝わる。今後もより機能的で使い易く改良し、海外輸出向けに開発していきたいとクリエイターのワクワクはとまらない。また今回は既存製品のモビール展示(写真6参照)を行ったのみだったtempoともコラボを続けていきたいと語った。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

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通訳/クリエイター

大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。

「建彦木工のプロダクトの多くは、檜を始め地元の木で作られています。林業に関わる足利の3社で『ジモトの木プロジェクト』を立ち上げ、林業の地産地消を掲げたサスティナブルな活動をしています。輸入材に頼らないことで輸送燃料を減らして温暖化の抑制に貢献し、そして良質の木材を生産するために森を整備しその環境を守っています。また、建彦木工は建材としては市場で売れ難くチップになってしまう2m以下の木材も利用して、組む箱シリーズを始めとする、小さく美しく息長く使える製品作りをしているのです。」克哉氏はそう語る。一方「小京都足利の周辺の北関東工業地帯と呼ばれる地域で私は育ち、正直文化的な活動が少ないところだと思っていました。しかしtempoというブランドとの出合いが、地元への評価を変えました。 tempo のモビールは足利周辺はもちろん、日本各地の職人が作る個々の部品を足利の工場で組み立て出来上がります。モビール製造によって人と人を繋げ協力し合い、先代の技術を継承しつつ新しい製品を作り、地方都市から世界に発信しているのです。グローバリゼーションの波にのまれてしまいそうな小さな町工場の素晴らしい技術を次世代に繋いでゆく、もの作りによって人と町を再生するサスティナブルな活動です。文化とは芸術や文芸だけを呼ぶのではなく、日本の高度成長を支えた技術も世界に誇るべき文化なのだと気付かされました。」と貴子さん。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

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通訳/クリエイター

大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。

「そしてクオリティの高いブランドとコラボできたことは本当にラッキーなことで、何十年ぶりにまとまった期間地元に戻る機会があったからこそ実現したと思っています。建彦木工の社長さんは、50代で木工アーティストになりたいという夢があるそうで、半世紀生きた大人が集まり、偶然の出会いから3ヶ月間という短時間に波長の合う両者の間に青年のようないいエネルギーが生まれて、そこに熟練の職人やデザイナーとしての技術が影響しあった結果、勢いに乗って今回の展示が実現したのだと思うのです。」


『モノを作る世界中の人を繋いで発信する場所でありたい』というコンセプトを持ち、とてもいいエネルギーが循環する場であるTKDの今後の活動が非常に楽しみだ。

Chikako Gowa(Instagram / chikakogowa)

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通訳/クリエイター

大学在学中NYへ交換留学期間、フェアチャイルドパブリケーション広告部にて インターンシップ、パーソンズスクールにてファッション分析について学ぶ。 卒業後、某仏外資系企業に就職。結婚を機にイタリアへ移住。アパレル業界の通訳、2012年よりsen (www.sen-factory.it)のファウンダー兼クリエイターとして活動。彩り豊かな毎日を楽しむ三人の女の子のママ。